■伝統製法「総火造り」の包丁
こちらは、葛飾区立石の八重樫打刃物製作所。
刀匠の流れをくむ鍛冶屋で、料理人が使う和包丁や大工が使うノミ・カンナなど、職人が使う刃物を作り続けています。
その製法は、「総火造り」という伝統の技法。
ベルトハンマーなどの鉄を叩く機械は一切使用せず、「1000度の炎」と「金槌裁き」のみで造りあげる、昔ながらの伝統製法です。
コークスの赤い炎が揺れる工房で金鎚をふるっているのは、四代目宗秋さん。
叔父さんと二人の若いお弟子さんの四人で、伝統製法「総火造り」を今に伝えています。
■分厚い手
こちらは、四代目宗秋さんの「手」です。
ご覧の通り、とても分厚く頑丈そうな「職人の手」。
「機械を一切使用せずに、金槌で叩いているから、どうしても手が分厚くなっちゃうんですよね。」
照れくさそうに、そう話してくれました。
■鍛造・焼入れ・刃付け
包丁造りの工程には、大きく分けて3つあります。
鍛造・焼入れ(焼戻し)・刃付けです。
鍛造は、刃を形造る工程。
安来鋼(白紙二号)と極軟鋼を、「総火造り」で鍛造します。
焼入れは、刃を約800〜850度に熱して硬くする工程。
焼戻しは、焼入れよりも低い温度で熱し、刃の粘りや強靭性を高める工程です。
上の写真は焼入れが終わった刃。
これから刃付けを行います。
刃付けは、刃を磨いて切れるようにする工程。
刃が付いたら、最後に柄を付けて完成です。
■出刃包丁と三徳包丁
八重樫さんの包丁は、出刃包丁と三徳包丁の2種類をご用意いたしました。
左が出刃包丁で右が三徳包丁。
どちらも、「総火造り」で造りあげた逸品です。
■出刃包丁
出刃包丁は、主に魚をさばく包丁です。
柄は、持ちやすい八角形。
朴ノ木を使用しています。
右利き用の片刃です。
※出刃包丁はこのページでご注文いただくことができます。
■三徳包丁
三徳包丁は、日本の家庭で一般的に使われている包丁です。
肉、魚、野菜と幅広い材料を切れることから、三つの用途で使える(=三徳)包丁と呼ばれています。
柄は、持ちやすい栗形。
紫檀を使用しています。
刃を付けていない部分は、磨かずに黒っぽい焼き肌を残しています。
三徳包丁はこちら
■四代目刀匠「宗秋」・八重樫潤一さん
こちらが、八重樫打刃物製作所の四代目宗秋さんです。
刀匠より日本古来の鍛造技術を学び、その技を四代に渡って継承しています。
日光東照宮のうるし用ノミや成田山新勝寺の不動明王を彫ったノミの製作も手掛けるなど、職人が使う刃物から家庭の包丁まで、「総火造り」にこだわり製作しています。
趣味は登山で若いころは日本百名山にも挑んでいたそうですが、最近は仕事が趣味みたいになっているとのこと。
なお、八重樫打刃物製作所は、初代宗秋が江戸時代(嘉永元年)に南部(現在の岩手)の刀匠重守に師事したことから始まりました。
現在の東京都葛飾区立石に移転してきたのは、昭和3年の事です。
★「八重樫さんの包丁」の商品一覧はこちらです。
■研ぎ直しについて
※※八重樫さんの包丁は、研ぎ直しを承ることが可能です。
★詳しくはこちらをご覧ください。
■ギフト包装について
※ギフト包装を無料で承ります。
※ご希望の場合は、ご注文の際に備考欄でご指定くださいませ。
★詳しくはこちらをご覧ください。
■お届けする商品
出刃包丁(片刃)
※右利き用です。
※箱入りです。
■商品の仕様
※手造りで作られていますので、大きさや重さなどに多少の違いが生じます。
材質:
刃/安来鋼(白紙二号)、極軟鋼
口金/本水牛
ハンドル/天然木(朴)
大きさ:
全長/290mm
刃渡り/150mm(5寸)
重さ:約230g
生産:日本製
■お取り扱いについて
【包丁のお手入れ】
※使用中は刃物がスプーンやお皿にあたらないように気を付けてください。
※シンクや水の中に放置しないようにしてください。刃先が錆びたり柄が傷んだりする原因になります。
※使い終わりましたら、熱湯を包丁全体に書けますと水分が蒸発して早く乾きます。
【長持ちさせるお手入れ方法】
包丁は、ちょっとした手間をかけるだけで、錆びにくく切れ味を長持ちさせることができます。
1.使い終わった後、乾いた布で拭き取ります。
2.刃の部分にサラダ油またはオリーブ油を薄く引いてなじませます。
3.刃の部分を下に向けて乾かすと柄の部分(木)が腐りません。
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